2010年12月24日金曜日

⑮黒髪という曲のお話

今回は、「冬」を感じる曲のご紹介です♪

川端康成の『雪国』の文中にも
ヒロイン駒子の
「小さい時こうして習ったわ。」
「く、ろ、かぁ、みぃ、の……。」

という様子が書かれている様に、
習い始めの手ほどきとして使われる曲ですが、
情緒があって美しいので親しまれてきました。




歌詞は以下のようになっております(^.^)

黒髪の むすぼれたる思ひをば
とけて寝た夜の枕こそ
ひとり寝る夜は仇枕
袖はかたしく つまじやいうて
愚痴な をなごの 心は知らず、
しんと更けたる鐘の声
昨夜(ゆうべ)の夢の今朝さめて
ゆかしなつかしやるせなや
積ると知らで 積る白雪


天明4年に「大商蛭小島(おおあきないひるがこじま)」という
中村座の芝居が上演されました。
伊藤祐親(すけちか)の娘辰姫が
頼朝への恋を政子に譲り、自分の髪を梳きながら
嫉妬に胸を焦がす情景のBGMに
この曲を使ってから
曲が親しまれてきました♪

『黒髪』の様に、
もともと地歌ですが、少し変化して長唄や、
小唄でも演奏される様になった曲は
他にもいくつかあります。

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